(2020.4.5 リライト)
【結論】
おすすめしません!
補足)セラミックがダメなのではなくて、セラミックを繋げた被せ物で無理矢理歯並びを綺麗に見せようとすることをオススメしていません。
セラミック矯正って何?
まずセラミックとは被せ物の材質のことで、簡単に説明するとお茶碗みたいな陶材でできたものです。
矯正とは歯列矯正のことで、ガタガタの歯並びを綺麗に並べることです。
セラミック矯正は、セラミックの材質の被せ物でガタガタの歯並びを綺麗にしちゃおうというものです。一般的な歯列矯正よりも短時間で終えることができるのと、セラミックで被せるので綺麗な歯になるのが売りです。
ここまでの説明だと、短時間で綺麗な見た目になるから良いじゃん!って思う方が結構いると思います。
ただ歯科医師の立場から言うとおすすめはしません!
おすすめしない理由
健康な歯を大きく削るため。最悪の場合神経を取るため。
被せる歯が虫歯がない健康な歯の場合、削ることがもったいないです。
ただ単に虫歯を削って詰めるのではなく、被せるために全周大きく削ります。
神経がある歯の場合、しみる可能性があるため被せてから「しみる」との症状を訴えられないために神経をとってから被せるケースが多いです。
神経をとると歯の寿命が縮まります。
歯の寿命が縮まるってどういうこと?って思いますよね。
歯の神経を取ると、体から歯に栄養がいかなくなります。
栄養がいかなくなると歯が弱くなり、割れたり、折れやすくなります。
例えば、幹から枝分かれしている木の枝と地面に落ちてる枯れ木の枝を想像してみて下さい。
枝分かれしている木の枝を折ろうとしてもしなってなかなか折れないですよね?
一方、枯れ木の枝を折ろうとするとすぐパキッと折れますよね?
歯も神経があるかないかによって枝のように強さが変わってきます。
抜く必要のない歯を抜いてしまうケースがある。
セラミックを繋げて綺麗に並べるのに、邪魔な歯を抜いてしまうケースがあります。
もちろん、みなさんがイメージする歯列矯正治療でも歯を抜くケースはありますが、セラミック矯正の場合は抜かなくても矯正できるケースも、時間を優先するために抜いてしまいます。
抜いたら歯は生えてきません。
将来のことを考えるのであればオススメしません!

歯を並べるために
歯の大きさに対して、顎のスペースが足りないため綺麗に並ばないケースが多いです。そのためガタガタになります。
セラミック矯正を考えている方はほとんどいい大人だと思います。
なので顎のスペースを広げることは骨が完成された大人にはできません。
(子供の時には顎のスペースを広げて、歯を抜かなくても綺麗に並べることができます)
ですので、歯が入るスペースを確保するために歯を抜きます。
一般的な歯列矯正では、前から4番目の歯(第一小臼歯)を抜いて矯正するケースが多いです。
しかし、セラミック矯正では見た目重視・早さ重視なので並べるのに邪魔な歯を抜いてしまうケースも多いです。例えその歯が前から3番目(犬歯、糸切り歯)の一番寿命が長いと言われている歯でもです・・・。

この症例は一番寿命が長い犬歯を抜歯しています。。。
セラミック矯正は表から撮った写真しか載せてないことが多いですが、裏側はこんな感じです。
なぜ、正面からの写真しか載せないかわかりますよね?
無理矢理被せ物を繋げているので、綺麗な感じではないのわかりますか?
なんというかハリボテというような感じでしょうか。。。
似たようなガタガタな歯列でも、ちゃんと矯正をするとこんなに綺麗に並びます!
もし自分の子供にセラミック矯正をやりたいと言われたら力ずくで阻止します。
なぜ、セラミック矯正を選びたいのか?
- 短時間で終わるから?
- 一般的な矯正のイメージで歯にブラケットとワイヤーをつけて矯正してると思われたくないから?
短時間で終わるから?
短時間で終わるのが最優先であればセラミック矯正をやって下さい。
価値観は人それぞれです。
歯を抜いて被せ物を繋げた物を歯科ではブリッジ(Br)と言いますが、清掃が難しくなるので虫歯や歯周病のリスクが高まります。
ブリッジのポンティックと呼ばれるダミーの部分の形も清掃性の良い形とか種類がありますが、審美面を優先すると清掃性が悪くなるので、丁寧な清掃を心がけてください。
一般的な矯正のイメージではにブラケットとワイヤーをつけて矯正してると思われたくないから?
一般的なイメージでブラケットとワイヤーをつけて矯正してると思われたくないと思っているのであれば、他にもやり方はあります。
歯の内側(舌側)にブラケットとワイヤーをつける方法があり、ぱっと見矯正してると思われません。
マウスピース 矯正であれば透明なマウスピース を装着して歯を並べるのでこれも矯正してるようには見えません。
また、歯を抜かないで並べられることが多いです。ただし、スペースが全然足りなくて綺麗に並べるには歯を抜かなくてはいけない時はマウスピース 矯正はあまり適応していなく、ブラケットとワイヤーを使ったほうが良いです。
マウスピース矯正についてはこちら
【必見】マウスピース矯正ってどうなの?歯列矯正治療をしたいけどワイヤーが見えるのが嫌だって人多いですよね。近年マウスピース矯正が台頭してきていますが、マウスピース矯正はどうなのか、費用は?期間は?痛いの?色々疑問があると思います。この記事ではマウスピース矯正の疑問について書いてます。
まとめ
歯科医師の中ではセラミック矯正を矯正治療ではないと言っている人がほとんどです。
セラミックで綺麗にしたいのであれば、ちゃんとした矯正治療が終わってからセラミックの被せ物をした方がより綺麗になります!
ですので、魅力的な謳い文句に惹かれて安易にセラミック矯正はしないことをオススメします!
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