糖尿病とは
生活習慣病の一つである糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えて慢性的に血糖値が高くなってしまう病気です。
インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。
慢性的に血糖値が高いと、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気につながります。

また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡などを起こすことがあります。
血糖値を良い値に保つ事が治療の基本です。
なぜ血糖値のコントロールをするのか?
糖尿病による合併症を起こさないため。
血糖値が高いままでいると、時間をかけて神経や眼、腎臓などからだの様々なところに病気を起こします。
これを、糖尿病の慢性合併症といいます。
糖尿病は、病気が進んでいない時期にはあまり症状のない病気ですが、一度合併症が出てしまうと、様々な症状や不都合を伴うことがあります。
痛みやしびれを感じること、感覚が鈍くなることでケガをしやすくなること、感染が起きやすくなること、視力の低下が起きることなどがその例です。また、腎臓の病気が進んでしまうと人工透析が必要になることもあり、生活が制限されます。
血糖値をコントロールするには、まず食事、運動、口腔ケアが大切です。そして薬による治療があります。

ちなみに糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。

糖尿病と歯周病
歯周病は糖尿病と相互に悪い影響を及ぼします。
糖尿病をお持ちの方では歯周病が悪化しやすく、歯周病があると糖尿病の血糖コントロールが難しくなることがわかっています。
そして最近の研究では、歯周病の治療をきちんと行うと血糖値が改善するということもわかっています。
歯周病に関してはこちらをご覧ください。
記事はこちら
うわ、臭う!臭いの原因は歯周病!?電車やバス、職場で隣の人が近い時「うわ、口臭い」と思う時ありますよね?口臭の原因は歯周病と舌苔によるものです。プラークが溜まり、歯石になり、どんどん歯周病が進行していきます。この記事では解決策を簡単にまとめいます。自分のために周りの人のためにお口のエチケットは大事です。
歯周病があると、どうして血糖値が高くなるの?
なぜ、歯肉の炎症である歯周病が糖尿病に関わってくるのか?
出血や膿を出しているような歯周ポケットからは、炎症に関連した化学物質が血管を経由して体中に放出されています。
中等度以上の歯周ポケット(4mm以上)が口の中全体にある場合、そのポケット表面積の合計は掌(てのひら)と同じ程度と考えられています。
歯周ポケットの中身は外からはなかなか見えませんが、手のひらサイズの出血や膿が治療なしで放置されていると考えると、からだ全体からも無視できない問題であることが理解できると思います。
ポケットから出て血流にのった炎症関連の化学物質は、体のなかで血糖値を下げるインスリンを効きにくくします(インスリン抵抗性)。
そのため、糖尿病が発症・進行しやすくなります。
糖尿病専門の内科医である西田亙先生は糖尿病予備軍で歯周病患者で1日1回しか歯磨きせず、歯垢・歯石が溜まっていたのを、歯科医院での口腔ケアを定期的に行い自身での口腔ケアもしっかり行うことで、1年で体重が18kg減り、高血圧や高血糖、不整脈がなくなったそうです。
糖尿病専門の内科医 西田亙先生の著書はこちら
まとめ
糖尿病と口腔内は関係ないと思われている方が多いと思いますが、実はとても関係があるんです!
糖尿病は誰でも発症する可能性がある怖い病気で、発症したら生涯付き合っていかなければならない病気です。
すでに疾患をお持ちの方は重症化を防ぐために、予備軍や若いから大丈夫と思っている方も歯科医院での定期的な口腔ケアと自身での口腔ケアをしっかり行って予防することをお勧めします!
引用
糖尿病専門の内科医が語る口腔ケアの重要性- 1.りんごをかじると出血した、歯周病からの気づき | ドクターズチョコレート® 糖尿病の治療ってどんなものがあるの? | 糖尿病情報センター
コメント